不動産の「両手仲介」とは?
みなさんは、「両手仲介」という言葉を知っていますか?両手仲介とは、不動産業者1社が、1物件の売主と買主双方の仲介業務を行うことで、両方から仲介手数料を報酬にすることを言います。もう少し簡単にお話をすると、売主から物件を売ってほしいと依頼を受けた不動産業者が、自分で買主を探し契約をする場合が「両手仲介」です。
この方法は、不動産業者が最も収入が得られる方法として知られているのですが、売主と買主に良くない影響を与えるという側面もあり、批判的にとらえている人が多いのです。
しかし、なぜ業界の慣習として定着してしまっているのはなぜでしょうか?今回は、この両手仲介について、ご紹介します。
不動産業者は地主が多かった
50年前に、現在の宅建業法の骨組み部分の公示があったとき、不動産業者は地主さんばかりでした。地域で顔が広くて、地元の盟主として慕われるような人が、不動産業者をしていたことが多かったのです。
当時、情報をつなぐシステムもないので、信頼できるのは、その不動産業者の顔の広さや、地位などの説得力だったと考えられます。
例えば50年前に、今住んでいる家を処分して引っ越すとき、家族が増えて大きな家を買いたいと考えたときに、一般人が手軽に不動産情報を手にすることはできませんでした。そこで、頼れるのは街の情報が集まる不動産業者だったというわけです。
不動産業者をたずねれば、売却物件の情報も買主の情報も集まってきていて、両方の利用者に都合の良い場所となっていました。
そうなると、両手仲介は当たり前となり、疑問に感じる人もいませんでした。むしろ、仲介をしてくれることのありがたさを感じていた人が多かったはずです。
インターネットの普及が不動産業を変えた
現在、あらゆる情報がインターネットで入手できるようになったことで、不動産業者を取り巻く環境も変わったと言えます。
インターネットが普及したことで、一般人でも手軽に情報を手に入れることができるようになり、知ることができる不動産売買についての情報も豊富です。「家を売りたい」と思っていた人は「家を高く売りたい」と考えるようになり、「家を買いたい」と思っていた人は「家を安く買いたい」と考えるようになりました。売主、買主が自分の主張をできるようになったのです。
しかし、この2つのニーズは相反するものなので、同じ不動産業者が「両手仲介」をするのでは、不透明な部分があるのではないでしょうか。
つまり、単に売買を成立させるだけの「両手仲介」では、消費者は満足できず、逆に不信感を持って批判的にとらえられてしまう結果となってしまっているのです。
それでも「両手仲介」をする不動産業者は多く、消費者に疑念を抱かせてしまっている事実があります。今後の不動産業界の進化のため、不動産業者は別の方法を考えていく必要があるのではないでしょうか?
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